虫歯治療

院長より

当院では、虫歯治療を含めた全ての治療において、患者様の納得と理解を重視しています。治療を受ける前に、まずは丁寧な事前説明を行い、患者様に治療内容やオプションについて理解していただくことを心がけています。患者様の歯や口腔内の状態を詳細に検査し、その結果をもとにした治療計画を、わかりやすくご説明いたします。

また、治療中には患者様の体調の変化や不安に対して敏感に対応し、治療の進行や状況について適切にお声がけをいたします。特に注射などの処置では、患者様の状態を十分に配慮し、可能な限り不快感を軽減するよう努めています。お子様を含め、不安や恐怖心を感じる患者様に対しては、安心して治療を受けていただけるように配慮し、心身共に落ち着いた状態で治療に臨めるようサポートしています。当院では、患者様の安心と満足を第一に考え、水準の高い治療とケアを提供することをお約束いたします。 

虫歯について

日本人における歯を失う原因の2位が虫歯であることは残念な事実です。虫歯は誰もがかかりやすい病気であり、また、ある程度進行してから歯科医院を受診する傾向があります。しかし、虫歯は早期発見と初期治療によって痛みもなく簡単に解決することができます。

早期発見とは、定期的な歯科健診や歯科医院での検診を通じて、歯の表面や歯周組織の状態を定期的にチェックすることを指します。初期治療とは、虫歯が進行する前に歯を削らずに歯垢や歯石を除去し、フッ素処理や歯磨きの指導を行うことで、虫歯の進行を防ぐことです。

早期発見と初期治療によって、虫歯を予防し、健康な歯を維持することができます。定期的な歯科健診や歯科医院での検診を受け、虫歯の早期発見と適切な治療を行うことで、歯を失うリスクを大幅に減らすことができます。

虫歯ができる原因

虫歯は、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)に存在するミュータンス菌が糖分を栄養源として利用し、酸を生成することで起こります。この酸が歯の表面の硬いエナメル質を溶かし、そこに穴を形成します。この穴が進行すると、象牙質にも影響を及ぼし、さらに深刻な虫歯になっていきます。虫歯を放置すると、神経まで到達し、激しい痛みや感染を引き起こす可能性があります。さらに放置を続けると、最終的には歯を失う可能性もあります。

ですから、虫歯を放置せず、早めに歯科医院を受診することが重要です。歯科医師は虫歯の進行を防ぐために適切な治療を提供し、患者に健康的な口腔状態を維持するためのアドバイスを行います。定期的な歯科検診や適切なホームケアの実践も虫歯予防に効果的です。

脱灰と再石灰化

飲食後、口腔内の酸性環境によりエナメル質が溶解される現象を「脱灰」と呼びます。一方で、唾液中のミネラルが再び歯の表面に沈着し、溶かされた部分を修復する作用を「再石灰化」と呼びます。脱灰と再石灰化がバランスよく行われることで、歯を守ることができます。

しかし、間食や頻繁な飲食によって口腔内の酸性環境が増加し、再石灰化の時間が不足すると、虫歯が進行するリスクが高まります。特に、糖分を多く含む飲食物や間食は、脱灰を促進し、再石灰化を阻害することがあります。その結果、虫歯が進行しやすくなります。

したがって、健康な歯を保つためには、飲食後に適切な口腔ケアを行い、口腔内の酸性環境を早めに中和することが重要です。また、定期的な歯科検診や適切な歯磨き、健康的な食生活を心がけることも虫歯予防に効果的です。

虫歯の進行・虫歯の治療

虫歯の進行状況を評価するために、一般的には「C0」から「C4」までの段階が使われます。

– C0:初期の虫歯や軽度の表面への侵害を指します。
– C1:エナメル質にまで虫歯が進行している段階です。
– C2:エナメル質を越えて象牙質にまで虫歯が進行している段階です。
– C3:神経にまで虫歯が達しており、痛みや感染が発生している段階です。
– C4:根の部分まで虫歯が進行しており、根の治療が必要な段階です。

虫歯の治療では、虫歯に侵された部分を削り取り、その後、削り取った穴を詰めるか被せる治療が行われます。これによって、虫歯の進行を止め、歯の機能を保護し、さらなる悪化を防ぎます。詰め物や被せ物は、人工的な材料を使用して歯の形状と機能を回復させるためのものです。

C0(初期のむし歯)

痛みなどはなく、歯の色が少し白く濁ってきているところがあります。この状態では、再石灰化により健康な状態の歯に戻すことも可能です。

C0の虫歯の治療

フッ素塗布やブラッシング指導を行い、再石灰化を促し、虫歯の進行を止めるための治療を行います。

C1(エナメル質のむし歯)

虫歯によってエナメル質に小さな穴が空いた状態です。この段階では、まだ痛みもないことが多いです。

C1の虫歯の治療

虫歯の部分を削り、削った部分には樹脂(コンポジットレジン)を詰めます。その他フッ素塗布やブラッシング指導を行い、再石灰化を促し、虫歯の進行を止めるための治療を行います。

C2(象牙質のむし歯)

象牙質まで虫歯が到達した状態です。冷たいものがしみるなどの感覚がでてきます。

C2の虫歯の治療

範囲が小さい場合はC1と同じ様な処置を行い、範囲が大きい場合は、詰め物(インレーやアンレー)、もっと大きな場合には被せ物(クラウン)を被せます。 

C3(神経に達したむし歯)

歯の神経まで虫歯が到達した状態です。熱いものが染みたり、激しい痛みが起きることもあります。神経を残せない場合には根管治療を行います。

C3の虫歯の治療

神経を保存できる場合は保存治療を行い、クラウンで修復します。神経を残せない場合は、根管治療に移行します。 

C4(根の部分しか残っていないむし歯)

この状態までくると、神経が死んでしまうため痛みを感じなくなることが多いです。細菌が歯の根の先にで増殖して痛みが再発する(根尖病巣)こともあります。

C4の虫歯の治療

歯を保存できる場合は根管治療を行い、残せなかった場合は、抜歯をします。 

歯の根の治療(根管治療)

歯の根の治療、すなわち根管治療は、深い虫歯や外傷などによって歯の神経が損傷した場合に行われます。この治療では、歯の神経を取り除き、根管内を清掃し、消毒し、最後に詰め物を充填して感染の再発を防ぎます。根管治療は歯を残すために極めて重要であり、歯を失わずに自然な噛み合わせを維持するために必要です。

しかし、根管は歯の形態によって非常に複雑で、細かな手作業が必要です。そのため、完全に根管をきれいにするには時間と技術が必要です。適切な根管治療を行わないと、根の先に病気が残ったり、再発したりする可能性があります。そのため、根管治療では慎重なアプローチが求められます。